経済産業省勤務時代に聞いた話だが、中国は、経済成長に伴い、(1)貿易黒字拡大に起因する米国との摩擦への対応(2)借款などの途上国への金融的支援のあり方(3)通貨の国際化の進め方-など、多方面にわたって、日本の経験・歩みを、残念ながら主に反面教師的にではあるが、大いに研究し参考にしている模様だ。
今回の株価下落が潮目の変化だと覚悟している可能性も高いが、いずれにせよ、バブル崩壊後の日本の低迷状況についても、その底堅さとともに、さまざまに研究していることであろう。一体、どこを一番のポイントだと見ているのだろうか。
話は変わるが、昨年、主宰している青山社中フォーラムに、ボストン時代に大変お世話になったハーバード大学のエズラ・ヴォーゲル名誉教授をお招きし、流暢(りゅうちょう)な日本語でご講演いただくと共に、事前の夕食会などで、久々にさまざまなお話をうかがう機会を得た。
ヴォーゲル教授は、1979年に出版された著書『ジャパン・アズ・ナンバーワン』で有名な日本研究家だ。余談だが、教授は中国研究家でもある。2011年に出版され、世界で話題となり、昨年には邦訳も出たトウ小平に関する著書が最近注目を集めているが、中国語にも堪能である。