菅義偉官房長官は1日の記者会見で、日本が主導する第6回アフリカ開発会議(TICAD)をケニアで8月27、28の両日に開催すると発表した。安倍晋三首相は、年内に開かれる伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)や日中韓首脳会談でも日本が議長国となることから、外交で日本の存在感を高める方針を示している。ただ、一連の会議を通して目指す外交目標の設定によって、その成果も大きく左右されそうだ。
菅氏は1日の記者会見で、初のアフリカでの開催となる今回のTICADに関し「会議の成功に向けて官民あげて取り組んでいきたい」と強調した。TICADは日本がアフリカ連合(AU)や国連、世界銀行などと協力し平成5年から日本で開催してきた会議で、政府開発援助(ODA)や民間投資の支援を通しアフリカ諸国との関係強化を図っている。
伊勢志摩サミットなどでも議長となる安倍首相は、1月22日に行った衆参両院の本会議での施政方針演説で、「日本が世界の中心で輝く1年」と述べ、外交に注力する姿勢を鮮明にした。ただ、「その“輝く1年”で何を日本が得ようとしているのか大きなビジョンは見えない」という声が自民党内にある。
地域情勢や国際経済は毎年、変化をするものの、会議の議題は前年から踏襲されるものも多い。担当者はそれぞれの会議で成功は目指すが、「縦割り行政が、各会議をつなげて大きな成果を生み出そうとする意識を阻害する」(官邸筋)との指摘もある。