環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は4日の署名式で、発効に向けて大きな節目を迎えた。日本は今後、残る大型協定である欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)や、中韓、インドなど16カ国で進める東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の早期妥結を目指すが、ハードルは高い。
多くの政府筋が次に狙う対象としてみているのが、EUとの交渉だ。関税の減免案を交換し、鉄道市場の開放や食品などの産地ブランド保護といった他の主要分野も協議が進み、交渉は終盤に突入しつつある。
ただ日本は関税協議で、EUが自動車に課す10%の関税をなくすよう要求する一方、EUからチーズやパスタなどの市場開放を求められ、足踏み状態が続く。夏の参院選までは「思い切った攻防が難しい」(交渉筋)とみられる。