金融市場でリスク回避の動きが加速し、市場関係者の間では円高・株安基調が当面続くとの見方が多い。一方、長期金利がマイナス圏に低下した状態が定着するかどうかは見方が分かれる。市場の混乱が収まるきっかけとしては、昨年12月に利上げに踏み切った米国が金融政策面で市場に配慮する動きをみせるかどうかに注目する向きがある。(森田晶宏)
1月29日に日銀がマイナス金利導入を決定し、市場に大きなサプライズ(驚き)を与えてからわずか10日あまり。再び株安・円高の荒波が市場を襲い、長期金利は史上初のマイナス圏に突入した。
今後の長期金利を見る上で、SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは「株価や為替の水準などが影響を与える」と語る。投資家のリスク回避を背景に株安・円高の流れが続けば、日銀が再び追加金融緩和に踏み切るとの観測が高まり、長期金利がさらに下がる可能性があるためだ。