【ワシントン=小雲規生】オバマ米大統領が議会に9日提出した2017会計年度(16年10月~17年9月)の予算教書は、歳出規模が4兆1470億ドル(約477兆円)で、初めて4兆ドルを突破。社会保障費などがかさみ、19年度には財政赤字も増加に転じる見通しだ。景気は緩やかに拡大しているが、次期大統領は財政運営で苦慮しそうだ。
社会保障費や国債などの利払い費がかさみ、17年度の歳出規模は16年度予算よりも5・0%増加。このうち国防総省向け予算は戦費を含めて5827億ドルで16年度比0・4%増とした。
09年度に1兆4126億ドルに達した財政赤字は、景気回復での税収増などで17年度は5034億ドルに縮小するが、21年度は5522億ドルに増える見通し。大統領選で民主党、共和党のいずれの候補が勝っても、健全な財政運営が課題となる。