カンボジアの「腐敗指数」、東南アジアで最悪 内部告発者の保護急務 (3/3ページ)

2016.2.11 05:00

野党が大躍進した2013年の国民議会選挙運動の様子。サム・レンシー野党党首への支持の背景には長期政権の腐敗体質への批判があった=プノンペン市内(木村文撮影)

野党が大躍進した2013年の国民議会選挙運動の様子。サム・レンシー野党党首への支持の背景には長期政権の腐敗体質への批判があった=プノンペン市内(木村文撮影)【拡大】

 ただ、顕著な効果がみられない原因の一つとして、TIは「汚職の内部告発者の保護が不十分であること」を挙げる。TIは、米国では12年に汚職摘発により回復された約49億ドル(12年の平均レートで約3909億円)のうち、半分以上の33億ドルは「内部告発」がきっかけであることを例に挙げ、汚職捜査における内部告発の重要性は明らかだと指摘している。

 一方で、カンボジアの反汚職法には、告発された汚職が十分に証明されない場合は告発者が罪に問われる可能性のある条項が含まれている。

 TIカンボジアが国内の15歳から30歳までの若者1200人を対象に実施した調査では、約3割が「腐敗をみても告発しない」と回答した。その理由として「報復が怖い」「変化を期待できない」「告発の方法が分からない」「自分とは関係ない」を挙げた。

 TIは、反汚職への意識を高め、内部告発を促すためにも、この条項の廃止を強く求めた。さらに、カンボジア政府が取り組んでいる内部告発者保護法の制定が急務だとしている。(カンボジア月刊邦字誌「プノン」編集長 木村文)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。