【ASIAウオッチャー】スリランカの政権交代(下) (1/3ページ)

2016.2.16 05:00

コロンボ港沿いの海岸。「コロンボ・ポートシティー・プロジェクト」は海の大半を埋め立てて近代都市を築く構想だ(荒井悦代氏撮影)

コロンボ港沿いの海岸。「コロンボ・ポートシティー・プロジェクト」は海の大半を埋め立てて近代都市を築く構想だ(荒井悦代氏撮影)【拡大】

 □ジェトロ・アジア経済研究所 地域研究センター動向分析研究グループ グループ長代理・荒井悦代

 ■新政権は中国偏重を見直し 宙に浮かぶ港湾都市構想

 スリランカの急激な経済成長には中国の影がちらつく。中国はスリランカに対し、2009~13年の5年間で合計18億9730万ドル(現レートで約2156億円)の経済援助を行った。この“中国資金”を元手に、スリランカ政府は、鉄道、道路、発電所、港湾、空港といったインフラ開発事業を次々と手掛けた。そして、バブル経済へと突き進んでいった。

 ◆海上交通の要衝地

 ここ数年の間に中国がスリランカに接近したのは、地政学的なメリットが大きいと判断しているからだろう。インド南端のすぐ近くの海に浮かぶスリランカは、中国にとって海上交通の要衝地だ。香港とアフリカのスーダンを結び、エネルギー戦略上で重要な海上ルートとなる「真珠の首飾り」。東アジアと欧州を結び、海上交易路となる「海のシルクロード」。どちらのルートでも、スリランカは中継地に位置する。

 そのうえ、豊富な海底天然資源の領有権をめぐり東南アジア諸国と激しく対立する南シナ海の島々に比べて、スリランカの囲い込みはさほど労力を費やさなくて済む。5年間で約19億ドルという金額は、スリランカ側からみれば巨額だが、いまの中国ならば決して重い負担ではない。しかも、19億ドルのほとんどが期限内に利息付きで返済を要する借款だ。つまり、中国のスリランカ経済援助は費用対効果が非常に高いといえよう。

 一方、隣国のインドは、スリランカと政治的距離感がまだあることが否めない。09~13年の経済援助も合計5億3760万ドルと中国の約4分の1にとどまる。インドとスリランカとの間には自由貿易協定が締結されているものの、経済関係を積極的に拡大させようとする動きはみられない。経済活動は民間任せになっている。

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