【高論卓説】セットで押し寄せる経済危機と政治動乱 (1/3ページ)

2016.2.17 05:00

 ■10年周期説から考える今年

 日銀のマイナス金利導入が、大きな波紋を呼んでいる。

 追加緩和があるとしても「資産購入額の拡大」など、従来の量的・質的緩和路線だと考えられていたこともあって、この新手法の導入は、金融界を中心に、各所に戸惑いをもたらしているようだ。

 「マイナス金利を導入している欧州を見るに、為替レートの引き下げ効果はあっても、景気浮揚効果は高くない」とか「3階層式であり、マイナス金利が導入される金額的インパクトは小さい」など、効果を否定する論調もあれば、逆に、「銀行収益の圧迫による信用収縮が起こる」とか「金融機関が国債を手放さなくなり、日銀によるマネー供給が逆に滞る」などの、過度の効き目・逆効果を懸念するものもある。

 これら諸批判の多くに、論理的には首肯するが、真剣に黒田東彦総裁の立場に立って考えると、何らかの異次元的アクションをあのタイミングで取ることは、やむを得なかったのではないかとも思う。従来型の緩和策は、正直、行き詰まりつつあり、かといって、特に後述するような状況を考えると「何もしない」わけにもいかないからだ。

 年初のサーキットブレーカー発動直後の緊急停止など、不安定な中国株式市場や、そもそもの中国経済の停滞。油価低迷による中東オイルマネーの急激な撤退。そして、アベノミクス司令塔の甘利明氏の経済財政担当相辞任-。思い切った成長戦略がなかなか描けない中、金融政策で全てを解決するのは無理な話だが、黒田総裁としては「手をこまねいて、何もしないわけにはいかない」という心境だったものと拝察する。

 そんな黒田総裁の「渾身(こんしん)の一撃」をあざ笑うかのように、新バズーカ効果は数日で終わった。日経平均株価は一時1万5000円を割り込み、円高が進んでいる。

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