奨学金の原資は振り込め詐欺など預金口座が使われた詐欺の被害金だ。「振り込め詐欺救済法」では、金融機関は犯罪に利用された口座を発見し次第、この口座を凍結し、被害者に資金を返還する仕組みになっている。だが、被害者が特定できなかったり、返還を申請しないケースがあり、その被害金は預金保険機構に納付され、14年度末で57億1000万円に達する。一方の奨学金は年200~300人の利用を想定していたのに対し、実際の利用者は年50人程度にとどまるなど低調だった。返済の心配なく安心して奨学金を受けられるよう制度を見直すことで、犯罪被害者の支援の充実を図る。