中国・上海で26日開幕する20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、3月とみられていた米連邦準備制度理事会(FRB)の「追加利上げ」先延ばしを求める声が上がりそうだ。利上げによる新興国からの資金流出が、金融市場の混乱を招いた要因の一つとみなされているからだ。市場は、イエレンFRB議長の言動を注目している。
「米国の利上げに関する市場とのコミュニケーションや中国の過剰設備など、市場変動の要因となっている世界経済情勢についてしっかりした対応を検討したい」
麻生太郎財務相は23日の閣議後記者会見で、G20に向けた意気込みを語った。
FRBは昨年12月、リーマン・ショック後から7年間続いた事実上のゼロ金利政策を解除。2016年中に小幅な追加利上げを4回実施する方針を示唆していた。年内に4回利上げするのであれば、初回は、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)が有力視されていた。
イエレン氏は10日の議会証言で、「追加利上げは経済データ次第。想定以上に成長が加速すれば利上げペースは速まり、景気回復が期待外れならば緩やかになる」と語った。