秋田県出身の菅義偉官房長官が22日の衆院予算委員会で、5月の日露首脳会談の際にプーチン大統領に秋田犬をもう1匹贈呈することを提案され、選択肢の一つと答弁した。一方、秋田犬保存関係者は冷静に受け止めている。
秋田県の佐竹敬久知事は平成24年、東日本大震災復興支援に対する東北地方からのお礼としてプーチン氏に秋田犬の「ゆめ」(雌、3歳10カ月)を贈った。ゆめは2014(平成26)年にソチの大統領公邸で行われた日露首脳会談の際、プーチン氏と一緒に安倍晋三首相を出迎えた。
予算委でおおさか維新の会の遠藤敬氏が「ゆめの婿として雄犬を贈ってはどうか」とただしたのに対し、菅氏は「私も秋田県。秋田犬は日露外交に一役も二役も買っている。今後の外交を進める中で、ご提案も一つの考え方と思っている」と応じた。
ゆめの贈呈に協力した秋田犬保存会(大館市)の富樫安民会長は「可能性の一つとして挙げられただけ。役に立てるならまた協力したいが、犬だけで外交が動くわけではない」と話している。