日米欧や新興国の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が中国・上海で26日開幕する。世界経済の下支え策や金融市場の混乱への対応が主要議題となる中、各国の懸念材料として欧州不安の再燃が浮上してきた。欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う英国民投票が6月23日に決まり、市場では投資家の「リスクオフ(回避)に拍車が掛かる」との見方が広がっているためだ。会議を舞台に英国のEU離脱問題について各国が意見交換する可能性も出てきた。
外国為替市場では、英国が離脱すれば欧州経済に打撃を与えるとの懸念からユーロは対円で売られ、「対ユーロでの円買いが対ドルにも波及」(為替ディーラー)し、円高ドル安が進みやすくなっている。
欧州ではギリシャ危機など不安材料がめじろ押しだ。英国のEU離脱が現実となれば、投資家は「欧州不安の再来」を意識し、市場の混乱が長引くことになりかねない。
まず懸念されるのが英国への悪影響だ。英国は輸出入ともに半分程度が関税や非関税障壁のないEU向けで、離脱した場合はこれらの恩恵がなくなる恐れもある。