【G20】中国、迫られた「難題」 財政出動と構造改革に矛盾

2016.2.27 20:44

 【上海=河崎真澄】G20財務相・中央銀行総裁会議で市場安定化へ打ち出された「すべての政策手段を動員する」とのメッセージが中国経済運営に難題を突きつけている。金融政策だけでは支えきれないとして、公共投資など財政出動による景気対策や構造改革の加速に踏み込むよう求めた。だが、過去の景気対策の副作用で生じた“バブル”の後始末に苦しむ中国にとって、財政出動と構造改革は矛盾をはらんでいる。

 中国は2008年のリーマン・ショック直後、4兆元(当時のレートで約50兆円)に上る巨額の緊急景気対策を実施。高速鉄道整備や不動産開発などで、世界最速のV字回復で成長軌道を取り戻した。ところが建設ありきで需要が追いつかず、赤字プロジェクトだらけに。水面下では建設にからむ汚職も蔓延(まんえん)した。

 財政出動に再びカジを切ることは、リーマン・ショックの後に起きた「悪夢の再演」にほかならない。

 鉄鋼などの素材産業はなお需要の2倍を超える過剰な生産設備を抱え、住宅在庫は1年分以上も残って空き屋だらけ。政府のかけ声で十分な信用調査もないまま貸し付けた融資は不良債権の山。麻生太郎財務相が求めた「過剰設備と過剰信用」の構造改革は急務。

 議長国としてのメンツにかけて声明をまとめたかったこともあるが、楼継偉財政相が「債務増大による財政出動の余地がある」と前のめりの姿勢を打ち出した背景には、「財政出動を周辺国へのインフラ輸出の拡大に利用する」(日中関係筋)との判断もある。国内向けでは構造改革を後退させるとして、周辺国へのインフラ輸出に財政出動の先を求める作戦だ。

 まもなく本格始動するアジアインフラ投資銀行(AIIB)も活用した、中国から欧州まで陸路と海路でインフラ整備で経済圏を作る「新シルクロード(一帯一路)」は16年からの5カ年経済計画の柱。インフラ輸出の加速に中国が財政支援を強化することに、G20も賛成せざるをえない。

 中国はG20の難題を逆手にとって、周辺国への洪水のような輸出で成長戦略を練ることになりそうだ。

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