中国の国政助言機関、人民政治協商会議(政協)委員の蒋洪・上海財経大教授がニュースサイト「財新ネット」の取材に対し、表現の自由の必要性を訴えた記事2本が10日までに削除された。当局が検閲したとみられる。財新ネットが経緯を批判的に報じた英文記事も閲覧できなくなった。
中国当局が習近平国家主席に批判的な書き込みをした短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」のアカウント閉鎖を命じるなど言論統制を強める中、公的機関の委員としては異例の発言だった。表現の自由を求める声が広がるのを抑え込む狙いがあるとみられる。
蒋氏は3日の記事でアカウント閉鎖などを念頭に「幾つかの事件の影響で大衆は当惑し、話をしたがらない」と指摘。「言いたいことを言えるのは国家の隆盛と発達の一つの表れだ。表現の権利が保障されなければならない」と主張。記事はすぐに読めなくなり、蒋氏は5日、財新ネットに「とても恐ろしいことだ。違法な内容はどこにもない」としたが、これも間もなく閲覧できなくなった。(共同)