政府は13日、世界経済情勢に関して意見交換を行う「国際金融経済分析会合」の第5回会合を開き、講師を務めた経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア事務総長は、来年4月の消費税率10%への引き上げを「経済状況が許せば予定通り行うべきだ」と提言した。同会合の有識者が4月の増税実行を明確に勧めたのは初めて。安倍晋三首相の延期判断を牽制したい財務省などには、強い“援軍”が現れた格好だ。
グリア氏が増税の実行を求めたのは、日本の債務残高が国内総生産(GDP)比200%超と高い水準にあり、財政再建を急ぐ必要があるとみるため。増税は一度延期しており、再び先送りすれば「信頼性の問題が出る」とも述べた。
また、消費税に相当するOECD諸国の付加価値税率が平均約20%であることも踏まえ、「少なくとも15%まで引き上げる必要がある」と指摘。ただ、消費への悪影響を避けるため「毎年1%の引き上げが最善だ」とした。
グリア氏の考えは、これまで会合で出た意見と真っ向から対立する。