マイナンバーカードを発行する地方公共団体情報システム機構(西尾勝理事長)は27日の記者会見で、市区町村の業務と申請者へのカード交付を滞らせた原因を発生から3カ月後にようやく特定したことを明らかにした。西尾氏は自身の進退について「仕事をやり遂げるのが私の責任だ。辞任を申し出るつもりはない」と述べ、具体的な責任の所在については明言を避けた。
秘匿性の高いカード発行を独占する機構は、省庁のように情報公開制度の対象になっておらず、責任が問われるはずの今春の役員人事では処分や引責辞任はなかった。無責任体質を放置した所管官庁、総務省の責任は重い。
自治体の窓口では1月以降、カード交付時にデータ処理を行う機構の中継サーバーの障害が1日に1回のペースで発生。本来不要の再起動が50回以上も繰り返された。このほか大規模な障害が7回も発生したため、処理ができず申請者にカードを手渡せないケースが続発した。
このため、滞っているカードの交付を少しでも促そうと日曜日の窓口開設を決めた自治体もあり、窓口職員の不満も募っていった。