日越結んだ陶器への思い ハノイ郊外の博物館

2016.5.17 05:00

ハノイ・キムラン村の「キムラン陶磁器・歴史博物館」で、出土品の前に立つ西野範子さん(左)とグエン・ビエット・ホンさん=2月(共同)

ハノイ・キムラン村の「キムラン陶磁器・歴史博物館」で、出土品の前に立つ西野範子さん(左)とグエン・ビエット・ホンさん=2月(共同)【拡大】

 ベトナムの首都ハノイ郊外の村に、地元で出土した陶磁器を展示する小さな博物館がある。2012年に開館した「キムラン陶磁器・歴史博物館」は歴史を愛する村の人々と日本人研究者夫妻の熱い思いから生まれた。

 首都ハノイ中心部から南に約10キロのキムラン村。陶磁器づくりが盛んで200ほどの窯があるが、観光客が足を延ばすことは少ない。

 「川べりで古い陶磁器の破片がたくさん出てくる。調べてもらえないか」。地元の歴史愛好家のグエン・ビエット・ホンさんらが00年にハノイの博物館に依頼したことがキムランの陶磁器発掘調査のきっかけ。01年と03年にベトナムの考古学院や村人とともに発掘に携わったのが、考古学者の西村昌也さん、西野範子さん夫妻だった。

 調査で、キムランでは遅くとも11世紀ごろから陶磁器が作られていたことが判明。高い品質の大皿や青磁のつぼが見つかり、当時ベトナムで行われていた陶磁器製造のレベルの高さが明らかになった。

 「出土品を展示する博物館を作りたい」。ホンさんの依頼を受け、東南アジアの埋蔵文化財の保護にも取り組んでいた西村さんらは金策に奔走。地元当局の支援を得て、ベトナム初の村立博物館が誕生した。それから1年余りの13年6月、西村さんはハノイでバイク事故に遭い、47歳でこの世を去った。

 西野さんにとって、キムランは新婚時代に夫とバイクで調査に通い詰めた思い出の地だ。「(夫は)いい博物館ができたと喜んでいた。地元の人が村の歴史に誇りを持つことにつながってほしい」。西村さんは今、博物館近くの村の墓地で村人とともに眠っている。(キムラン 共同)

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