規制改革会議は答申で、一般住宅に有料で旅行客を泊める「民泊」に関して、ホテルなどと異なる届け出制の宿泊サービスと位置付け、住居専用地域での営業を認めるよう求めた。既存の旅館業法に代わる新法の年度内の提出も提言した。「観光立国」を掲げる政府は、4年後に年間4千万人への倍増を目指す訪日外国人客の受け皿として民泊の健全な普及を図る。
国内の民泊物件は3万件超とみられているが、国家戦略特区に認定された東京都大田区の例などを除くほとんどが無許可営業とみられ、行政も実態を把握しきれていない。近隣トラブルの防止や感染症患者の追跡といった課題に対応するため、実効性のある法整備が急務となっていた。
このため、家主不在の民泊は宿帳管理や苦情対応を登録事業者に委託するよう義務付ける。インターネット上で仲介サイトを展開する米Airbnb(エアビーアンドビー)などの事業者も登録制とし、無届けの違法民泊の仲介を禁じる。
厚生労働省と観光庁の検討会は6月中に新法の大枠を固める。ルールが明確化されて民泊が合法的に拡大すれば、宿泊客への対応を代行するビジネスなどのチャンスも広がる。警備大手の綜合警備保障が管理業務への参入を決めるなど企業の動きも出ている。