インドネシアは、今年1~3月の実質国内総生産(GDP)成長率が年率換算で前年同期比4.92%だった。直前の昨年10~12月(5.04%)から減速したものの、前年同期の昨年1~3月(4.73%)からは加速している。今年通年の目標は5.30%となっており、政府はインフラ整備のための政府支出を増やすなどして、成長加速を図りたい考えだ。国営アンタラ通信などが報じた。
同国のナスチオン調整相(経済)は「政府が実施した景気対策の効果が出ている」と述べ、景気が回復基調にあるとの見方を示した。政府は昨年後半から競争力強化とビジネス環境改善に重点を置いた12弾に及ぶ景気対策を打ち出している。
ブロジョネゴロ財務相は、1~3月の気がかりな点として、GDPの57%を占める家計消費が前年同期比4.94%増にとどまったと指摘。政府支出を拡大して消費を刺激する必要があるとの認識を示した。
一方、ある専門家は例年1~3月は前期比で減速する傾向があると分析し、今後、イスラム教の断食月(ラマダン)や断食明けの祭日(イドゥル・フィトリ)など購買意欲が高まる時期が控えており、4月以降は成長が加速すると予想した。