忠実な債権国日本をなめたらいかんぜよ トランプ氏が優勢になるほど広がる恐怖 (3/3ページ)

2016.5.26 22:00

伊勢神宮での植樹を終え、正殿へ向かう(左から)安倍首相、三重県の鈴木英敬知事、イタリアのレンツィ首相、オバマ米大統領=26日午前11時32分、三重県伊勢市(代表撮影)

伊勢神宮での植樹を終え、正殿へ向かう(左から)安倍首相、三重県の鈴木英敬知事、イタリアのレンツィ首相、オバマ米大統領=26日午前11時32分、三重県伊勢市(代表撮影)【拡大】

 中国は、トランプ氏が大統領候補に正式指名されたら、さっさと米国債を売り逃げるだろう。習近平政権はもともとドル依存から脱却するために、人民元の国際化戦略を展開している。莫大(ばくだい)な国富であるドル資産が目減りするのを放置すれば、習氏の責任問題になりかねない。それに、実体経済は事実上マイナス成長が続き、国有企業や地方政府の債務が膨張している。ドル資産が紙切れになれば、中国経済が根底から揺らぐ。

 日本は同盟国として、中国にすぐに同調するのはためらうに違いない。外国の米国債保有は、中国1.2兆ドルで世界最大、日本1.1兆ドルで次ぐ。日中とも米国債を見限れば、米国債は暴落、株式市場にパニックが広がるので、日本としては売りたくても売れない。

 伊勢志摩で先進7カ国(G7)が正面切って足並みをそろえ、トランプ氏牽制(けんせい)というわけにもいくまい。せいぜい、「国際金融市場の安定で協調する」というお経を繰り出すのにとどまるだろう。

 ならば、日本が迅速に対応するしかない。作家の石原慎太郎氏と亀井静香衆院議員はトランプ氏の日米安全保障関係に関する「暴言」に対し、「なめたらいかんぜよ」(石原氏)と凄(すご)み、「トランプではなく、花札を持っていつでも会いに行く」(亀井氏)と腕まくりしている。両氏が言うべきは、「忠実な債権国日本をなめたらいかんぜよ」ではないか。(産経新聞特別記者 田村秀男)

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