【ワシントン=小雲規生】米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は27日、マサチューセッツ州のハーバード大学でのイベントで、政策金利の追加利上げについて「今後数カ月のうちに適切になるだろう」と述べ、早期の実施に前向きな姿勢を示した。
FRBは昨年12月に9年半ぶりの利上げに踏み切ったが、その後3回の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを見送っている。しかし今月18日に発表された前回4月会合の議事録では、ほとんどの参加者が条件次第では6月会合で追加利上げに踏み切ることを「適切だ」とみていたことが明らかになっている。
一方、イエレン氏はこの日のイベントで雇用の改善に不十分さが残っていると指摘。さらに成長率が極めて低い水準にあることも認めて、今後の利上げは緩やかで慎重なペースで進めるべきだと改めて強調した。
一方、この日の外国為替市場では、イエレン氏の発言で早期の追加利上げが意識され、円を売ってドルを買う流れが強まりドル円相場は発言前の1ドル=109円80銭台から、一時110円40銭台まで円安ドル高が進んだ。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は発言直後に値下がりしたが、その後は値を戻した。