越、FDI事業の環境対策急務 汚染による経済損失、GDP比2.5%

2016.6.16 05:00

南部ホーチミン郊外にある工場の排煙。ベトナムは、FDI実施企業の環境配慮が急務だ(ブルームバーグ)

南部ホーチミン郊外にある工場の排煙。ベトナムは、FDI実施企業の環境配慮が急務だ(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムは、外国からの直接投資(FDI)の誘致を加速させようとしているが、FDI事業の多くが環境配慮に欠けていると指摘される。首都ハノイにある国民経済大学の調査によると、FDIを実施する企業の約6割は、自社の工場排水が環境基準に適合していないという。専門家は政府に対し、FDI事業の承認事項に環境基準の厳格な順守を盛り込むといった対策を早急に講じる必要があるとの見方を示した。現地紙サイゴン・タイムズなどが報じた。

 同国へのFDI承認額は、政府が優遇策などを設けて誘致を進めるなか、今年1~5月には前年同期比で2.4倍の101億6000万ドル(約1兆790億円)に達するなど好調だ。

 その半面、国民経済大学の調査によると、FDI企業のうち約7割が、工場の排煙浄化装置の設置などといった環境対策にかかるコストを、ベトナム事業では自国での事業と比べて10~50%削減していると指摘した。

 専門家は、ベトナムの環境基準の順守が徹底されていないことに加え、FDI実施企業は利益を最優先していることが環境配慮の欠如につながっていると警告する。

 計画投資省傘下の中央経済管理研究所(CIEM)が今年3月に発表した報告書によると、FDI実施企業全体の約7割に相当する縫製品や化学製品などのメーカーのうち、最新の環境対策設備を設置している企業は5%に過ぎないという。

 CIEMは、同国のFDI事業選定のあり方が新しい段階に入ったとし、政府はむやみに誘致を進めるのではなく、これからは環境配慮を重視して選定すべきだとの見解だ。

 同国は、環境汚染に伴う経済損失が年間で国内総生産(GDP)の2.5%に相当するとされる。

 専門家は、政府が環境保全に向けた法整備を強化するなどの対策を進めなければ、損失額がGDPの6.5%とされる中国をいずれ追い抜くことになるだろうと警鐘を鳴らしている。(シンガポール支局)

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