【政策を問う】生産性高め実質賃金改善 日本総合研究所・湯元健治副理事長 (2/2ページ)

2016.7.5 05:00

(中村智隆撮影)
(中村智隆撮影)【拡大】

 中長期的には、生産性を高めて、その分を賃上げに回すようにすることが重要だ。成長戦略や構造改革で生産性を引き上げれば、労働力人口の減少で低迷する潜在成長率も向上させられるだろう。

 とはいえ、サービス残業を含めた日本人の労働時間は欧米に比べてかなり長く、生産性は相当低い。長時間労働を是正することが必要だ。

 テレワークや在宅勤務を推進し、時間を節約しつつ、違う働き方でも同じ成果が出せるような環境を整えるべきだ。時間や場所を選ばない多様なスタイルを実現すれば、女性の活躍推進にもつながる。そういう認識が経営者に浸透しないといけない。

 こうした働き方改革は、日本の労働市場をグローバルスタンダードに合わせる試みでもある。(中村智隆)

                   ◇

【プロフィル】湯元健治

 ゆもと・けんじ 京大経卒。1980年住友銀行(現三井住友銀行)。92年日本総合研究所調査部主任研究員海外チームリーダー。日本総研調査部長、内閣府官房審議官などを経て、12年6月から現職。59歳。福井県出身。

                   ◇

【用語解説】伸び悩む実質賃金

 実質賃金は賃金の名目の伸びから物価上昇分を除いた指標で、2015年度は前年度比0.1%減と5年連続のマイナスとなった。基本給や残業代などを合計した1人当たりの現金給与総額は0.2%増だったが、指標となる物価が0.3%上昇したため、実質賃金は増加に転じなかった。消費税率8%への引き上げの影響が一巡し、15年度の実質賃金の下落幅は14年度(3.0%)から縮小。16年に入ると物価下落でプラス基調となった。それでも、賃上げの勢いは引き続き力強さを欠いている。

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。