英中央銀行のイングランド銀行(BOE)は5日、欧州連合(EU)離脱問題による景気低迷に備え、国内銀行に対して3月に求めた資本の積み増し方針を撤回した。資本要件の緩和は、銀行が財務基盤の強化を優先し、企業や家計への貸し渋りに走るのを防ぐのが狙いだ。
BOEのカーニー総裁は5日の記者会見で、EU離脱問題による金融市場の混乱などを踏まえ「金融安定に向けて必要なら、あらゆる行動を取る」と表明。英経済の現状については「実質的に減速を続けている」とし、不動産投資の落ち込みなどを懸念材料に挙げた。
BOEは5日公表した金融安定報告書で、6月23日の国民投票が離脱を選択したことで「金融安定に関するリスクが増大した」と強調した。(共同)