【論風】新成長戦略で目指すべきもの 学校法人城西大学特任教授・土居征夫 (1/3ページ)

2016.7.7 05:00


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 ■第4次産業革命で中間層復活を

 「アベノミクスのエンジンを最大限吹かす」「国内総生産(GDP)600兆円」「消費税を2年半延期し経済成長で財政再建を果たす」-

 これらの発言は多くの識者、国民に不安感を与えているかもしれない。

 世界的に資本主義は行き詰まっており、製造業を中心に実業の世界では利潤率が低下し、景気を支えているのは金融とITの世界だけだ。金融とITでもうけた富裕層が、国民の所得や資産の大半を占める形で、米国など先進資本主義国では格差が拡大し、経済的混乱は政治的混乱を招来しつつある。日本でも最近、額に汗して働く中間層の没落が現実化しつつある。金融やITが牽引(けんいん)力となった資本主義も、所詮マネーゲームの虚業の世界に頼るだけでは、バブルを繰り返し終焉(しゅうえん)に向かう。

 ◆今後の世界経済と日本

 主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でも、世界はリーマン・ショック前の状態にあるとの危機感が先進7カ国(G7)首脳間で共有されたという。世界的なバブル崩壊を前にして、今金だけをばらまいてバブルを助長するような経済成長路線はとりえないところだ。

 それでは、アベノミクスの狙うべき次の新成長戦略の方向はどこなのか。それはバブルを助長する金融エンジンの活用ではない。財政エンジンを吹かしてのばらまきによる一時的な景気刺激でもない。残された道は第4次産業革命を推進し、ITエンジンを国民のために最大限に活用して新しい経済社会構造をつくり上げることではないか。

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