内モンゴル自治区統計局によると、同自治区の対露・モンゴル貿易額は2000年の9億7500万ドル(現在のレートで約1005億5000万円)から15年に59億5800万ドルとなり、15年で6倍超に増加。同自治区のロシアとモンゴルに対する対外開放度は近年、“新たな段階”に突入している。
公式情報によれば、中国の北の国境沿いにある内モンゴル自治区とロシア、モンゴルの協力関係は1950年代に(当時のソ連などと)強まり、60年代に悪化した後、70年代の停滞期を経て80年代に回復。90年代には調整と関係強化が続き、今世紀に入り全面的に強まり続けている。
現在、ロシアとモンゴルは同自治区の貿易相手の2強となっており、貿易総額に占める割合は50%近くに上る。同自治区の満州里市やエレンホト市の口岸(通関地)は鉄道、道路、水路、航空機といった多くの輸送方法によって全方位的な開放モデルを採っている。
こうした背景の下、「内モンゴル自治区国民経済と社会発展の第13次5カ年計画(2016~20年)綱要」では「中国・ロシア・モンゴル経済回廊」建設を打ち出し、産業、貿易、インフラ設備などの分野で協力関係を深めていく方針だ。同自治区の経済学者、蓋志毅氏はロシアやモンゴルがエネルギーの宝庫として世界的に注目されている点を指摘、中国が掲げる「一帯一路(新シルクロード)」戦略に導かれ、両国との貿易は拡大すると予測する。(中国新聞社)