自分の認識不足を痛感 「職人技のこだわり」でストップしてはダメだ (1/3ページ)

2016.7.17 06:00

 長い間避けてきた仕事がある。日本の職人技がつくる伝統工芸品を海外市場で紹介することだ。理由は大きく2つある。

 少量生産であるため工房が仲介なしに海外の店舗に直接売り、そこで扱ってもらうのがベストであると考えてきたのが一つ。商流の当事者にならなければ利益がとりにくい。

 しかし工房が海外の店舗と直接付き合うのもハードルが高く、一般に長い流通経路を辿り高価になることが多い。一方で文化を総合的に伝えるのは大仕事だ。だからどうしても割に合わない。

 二つ目は、ぼく自身の関心と役割は、量産となる商品の新しいコンセプト作りにあり、日本の伝統品の「ほんものの味」を伝えるのは、どなたか別の方の仕事だろうと思ってきたからだ。

 一方、イタリアのそうしたジャンルの製品を日本に売る仕事には関わったことがある。日本の消費者の方がイタリアの文化に馴染んでいるためだ。品質への考え方の違いで当然のようにトラブルこともあるが、逆方向と比べると無理が少ない。

 そういうわけでビジネス上は職人技や工芸品とは縁の薄い生活を送ってきた。なにかとイタリアの職人と接する機会は少なくないが、職人の意味について自分から深く知ろうとする動機は少なかった。

 ただ、このところ少々気が変わってきた。イタリアの職人をもっと理解する必要がでてきたのである。

 地域の独自性の発揮と経済の活性化を考えることが多くなり、その際、「職人技を活かすこと」と「ローカルのアイデンティティ」の2つがどうしても出てくる。例えば、エルメスはパリでないといけないし、フェラーリはイタリアのイメージと不可分の関係になる。

特にラグジュアリーブランドでは、「何処で誰の手によって作られたか?」がキーになるのだ

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。