中国・成都で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は世界経済には下振れリスクがあるとの認識で一致した。英国の欧州連合(EU)離脱問題のほか、中国経済の減速など火種はくすぶっている。日本政府は来週までに大型の経済対策を決定し、景気を下支えする方針。財政出動とともに構造改革を進め、持続的な成長につなげられるかが鍵になる。
G20は24日発表した声明で「(英国のEU離脱の影響に)積極的に対処する態勢を整えている」と強調し、市場の不安を解消する姿勢を打ち出した。事実、離脱決定直後の世界的な株安や一部通貨の急落は沈静化しつつある。
ただ、離脱交渉の道筋は不透明で、長期化すれば英国や欧州のほか、貿易額が多い中国などの経済を下押ししかねない。さらに、イタリアでは銀行の不良債権問題が表面化。ドイツ銀行の経営不安説も根強く、欧州発の金融危機が起きる可能性もゼロではない。