□【新興国に翔ける】スパイダー・イニシアティブ代表 森辺一樹
私は仕事柄、1年の中で多くの日数を先進国、新興国を問わず海外で過ごしている。必然的に空港にいる時間が長くなるため、空港で買い物をすることもよくある。携帯電話の充電器やパソコンのアダプターを忘れてエレクトロニクス製品売り場に立ち寄ると、品ぞろえの変わりように日本人として危機感を覚えざるを得ない。
1980~90年代の空港のエレクトロニクス製品売り場は、ほぼ100%が日本メーカーのロゴがある製品で埋め尽くされていた。当時、まだ中学生だった私は、それを見て、このような世界をリードする製品を生み出す日本人の一人であることがとても誇らしく思えたものだ。
しかし、15年ほど前から、空港で売られる日本メーカー製品がどんどん減っている。シンガポールや香港のように日本のエレクトロニクス製品をかなりひいきしている人たちがいるような国はまだしも、そうでない国では空港で日本製品をまったく見つけられないことすらある。