中国からまさかの「お役ご免」 AIIB要職人事でゴタゴタに揺れる韓国 (3/6ページ)

 伏線は、経営不振の大宇造船をめぐる不正会計の発覚だ。洪氏が会長に就いていたKDBは、同社の大株主だった。

 韓国監査院は6月、2013、14年に大宇造船が計1兆5千億ウォン(1400億円)の利益を過大計上していたと発表。KDBは財務チェックを怠っていたと厳しく指摘した。

 大宇造船は韓国の単一企業としては最高の5兆ウォン規模の赤字を計上。業績が悪かったのに役員に多額の報酬を支払うなど、ずさんな経営が明らかになっている。公的資金を原資にKDBなどが4兆2千億ウォン規模の支援を決めたことに批判が噴出している。

 ここまでなら、あくまでゾンビ企業をめぐる監督責任問題に過ぎなかった。

 それがAIIBの副総裁人事へと飛び火する事態となったため、不満がいっきに高まった。

 「去就、決めよ」事実上の辞職勧告

 韓国・中央日報(日本語電子版)によると、洪氏は中国・北京で6月25日に開かれた初のAIIBの年次総会の直前に「休職」届を提出。総会にも姿を現さなかったという。

当初は、大宇造船の粉飾決算にかかわる批判を受けた自発的な休職とみられていた…