女川原発、オフサイトセンター再建費計上 内閣府が17年度概算要求に

 内閣府が、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の事故発生時に災害対策拠点となる「オフサイトセンター」の再建費用を、2017年度予算の概算要求に盛り込むことが1日、分かった。同センターは、東日本大震災で津波被害に遭い、現在は同原発から約50キロ離れた仙台市内の旧消防学校の一部を暫定的に利用している。東北電は17年4月以降に同原発の再稼働を目指しており、対策拠点を新たに整備して地元の不安軽減を図る。

 内閣府によると、女川町内で海抜20メートル以上の新たな施設用地を確保する見通しが立ったことから、建設費用に充てる交付金を東日本大震災の復興予算を管理する復興特別会計に計上する。17年度に着工、18年度中に完成し、19年度から運営を開始する計画だ。

 オフサイトセンターは、原子力施設で事故が発生した際、敷地(オンサイト)から離れた外部(オフサイト)で現地対策をとる拠点となる。国と自治体が整備し、電力会社や自衛隊、警察などの情報共有に使うほか、住民の安全確保にも活用する。

 女川原発のオフサイトセンターは海抜5メートルの地点にあり、東日本大震災では津波で2階の屋上まで浸水し、本来の役割を果たすことができなかった。

 政府は東京電力福島第1原発事故を受けて、原子力施設の20キロ圏内だったオフサイトセンターの設置要件を5~30キロ圏内に変更し、各センターの安全性を高めるための移転を進めている。