国際社会で信頼失った人民元 法無視で急速に地盤沈下、国際化も頭打ち (1/4ページ)

鋼板を巻いたコイルをチェックする作業員。大幅な安値輸出を続ける中国への不信感から、欧米は中国の「市場経済国」認定を拒否した=中国・安徽省(ブルームバーグ)
鋼板を巻いたコイルをチェックする作業員。大幅な安値輸出を続ける中国への不信感から、欧米は中国の「市場経済国」認定を拒否した=中国・安徽省(ブルームバーグ)【拡大】

 中国が人民元を突然切り下げてから11日で1年がたった。今も人民元相場は大きく下げたままだが輸出は低調で、中国をめぐる国際ビジネス環境は急速に地盤沈下を起こしている。通商面で有利になるとして中国が要求している「市場経済国」への認定を欧米が相次ぎ拒否。進撃を続けていた人民元の国際化路線も頭打ち状態にある。中国が強引に進めたインフラ輸出が、世界各地で頓挫や延期など混乱を引き起こした上、南シナ海をめぐる仲裁裁判所の裁定を中国が「紙くず」と切り捨て、国際社会から「国際ビジネスルールはおろか国際法も順守しない相手」と烙印(らくいん)を押されて信頼を失ったからだ。

 欧米が認定拒否

 「2001年12月に世界貿易機関(WTO)に加盟した中国の市場改革がその後、国際社会が期待したほど進んでいないことは、疑う余地もない」

 ロイター通信によると、米国のウィルソン通商交渉官は7月14日、WTOの会合で市場改革の遅れを名指しで批判し、中国を「市場経済国」と認めるべきではないとの立場を示した。

 欧州連合(EU)の欧州議会は5月12日の本会議で「中国は依然として市場経済国の条件を満たしておらず待遇付与に反対する」と決議している。

人民元の国際化は足踏み状態が続きそうだ