趣味も結婚も今は考えられない 「可処分所得」12年から横ばい水準 (1/4ページ)

東京都大田区の工場。大企業と異なり、賃上げを見送った中小企業は少なくない(ブルームバーグ)
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 ■【消費の壁】(上)社会保険料上げ、賃上げ相殺

 「額面は少し増えたけど、手取りはほとんど変わらず30万円ちょっと。ロードレーサー(競技用自転車)を買い替えたいが今回は無理。次のボーナスで考えるとして、とりあえずは貯金かな」。横浜市の介護施設で働く30歳男性が、今夏のボーナスの明細書を見ながらため息をついた。

 専門学校を卒業してケアマネジャーの資格を取り、東京都内の介護施設で働き始めた。だが3年目に腰を痛めて退社し、療養を余儀なくされた。3年前に今の職場でアルバイトを始め、昨年正社員に採用された。月収は20万円前後。趣味の自転車もなかなか買い替えることはできないし、「結婚も今は考えられない」。

 政府、経済界の誤算

 安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」では、金融緩和による円安株高で大手企業の業績を引き上げ、賃上げを実施。それによって消費が拡大し、さらに企業業績を改善し、賃上げ、消費拡大という好循環を想定していた。

政府、経済界にとって大きな誤算だ