思ったより大変だった“文化庁お試し移転” 「先が思いやられる」京都人もボヤキ (1/5ページ)

京都への文化庁の〝お試し移転〟期間中に飛び出した移転先をめぐる馳浩文部科学相(当時)の発言。関係者も思わず「先が思いやられる」とぼやいたとか…
京都への文化庁の〝お試し移転〟期間中に飛び出した移転先をめぐる馳浩文部科学相(当時)の発言。関係者も思わず「先が思いやられる」とぼやいたとか…【拡大】

 祇園祭でにぎわう真夏の京都に文化庁の職員たちが相次いでやってきた。7月11~24日の2週間、文化庁京都移転の準備を進めるにあたり、実際に京都市内で執務を行う“お試し移転”が実施されたのだ。この中で馳浩文部科学相(当時)が移転先候補として突然、京都国立博物館(京博、京都市東山区)を挙げ、地元関係者の間で衝撃が広がった。文化庁の移転先候補は京都府警本部本館(同市上京区)という方向が“既定路線”だったからだ。関係者からは「最初からこれでは先が思いやられる」「思いつきか」とぼやきも漏れた。全面移転は「数年内」とされ、「(2020年=平成32年に行われる)東京五輪までには移転したい」との声も聞かれるが、移転に向けた課題は山積している。

 長官は大満足?

 各地で計画されている政府関係機関の地方移転の多くが難航する中、唯一、実施が正式に決まっている文化庁の京都移転。政府機関が移転されれば、新たな人の流れや雇用も期待できるとして、地元・関西の政財界関係者はおおむね歓迎ムードだ。

 お試し移転が行われていた真っ最中の7月21日、大阪市内で開かれた関西広域連合と関西経済連合会の会合。関経連会長の森詳介・関西電力相談役が「大船に乗ったつもりで来てほしい」と歓迎したことを受け、文化庁の宮田亮平長官は「こちら(京都)に来ることに不安もあるが、大船という一言がどれだけ勇気になったか。心強い」とあいさつした。

「やってみると問題ない」とご満悦で、文化庁サイドとしては…