韓国につけ込まれ…竹島を「献上」した吉田茂の誤ったシグナル (6/9ページ)

韓国による竹島実効支配に誤ったシグナルを送ってしまった吉田茂元首相
韓国による竹島実効支配に誤ったシグナルを送ってしまった吉田茂元首相【拡大】

  • 解散を表明し、記念撮影に応じる「SEALDs(シールズ)」の奥田愛基氏(前列左から2人目)ら=8月16日、東京・永田町の衆院第2議員会館(斎藤良雄撮影)
  • 解散を表明し、記者会見する「SEALDs(シールズ)」の奥田愛基(左)氏ら=8月16日、東京・永田町の衆院第2議員会館(斎藤良雄撮影

 しかし、創隊は遅きに失した。講和条約発効=海上警備隊創隊の3カ月以上前、建国間もない韓国の初代大統領・李承晩は領土拡張や海洋資源独占を狙い突如、公海上で勝手に“線引き”を行った。いわゆる「李承晩ライン」で、線内での漁業は韓国漁船以外は行えず、違反した場合は臨検・拿捕・接収・銃撃を受けた。日米両政府は「国際法上の慣例無視」と抗議したが、線内には竹島が含まれていた。

 わが国の主権の完全回復前の、絵に描いたごとき火事場泥棒だった。吉田が「最小限の海上兵力」を拒んでいなければ、帝國海軍の精強ぶりを熟知し、強者には尻尾を振る韓国のこと。李承晩ラインを捏造し、わが国固有の領土を実効支配するなど到底、決心がつかなかっただろう。

 以上が、吉田が韓国に送った間違ったシグナルの1つ目。2つ目も、李承晩ラインの延長にある。

 韓国に400発の射撃を受けた海保と抑留者3900人

 吉田政権末期の昭和29(1954)年8月。韓国が加速させていた竹島の武力による実効支配を阻止せんと、海上保安庁が巡視船を派遣したところ、韓国側は400発もの一斉射撃を加えてきた。韓国は武力に訴えてでも、竹島を実効支配する決意を示したのだ。

 対する日本は、サンフランシスコ講和条約発効=主権の完全回復より2年半近くたっていたが、およそ主権国家の名に値しない主権侵害を一方的に被っていた。自民党の領土に関する特別委員会(石破茂委員長)が平成18(2006)年に発表した《竹島領有権問題について》によると、李承晩ラインの設定前後から、昭和40(1965)年の日韓基本条約締結(日韓国交正常化)でラインが廃止されるまで、拿捕された日本漁船328隻▽抑留された船員3929人▽死傷者44人…を数える。

もはや「事件」ではなく「事変」と呼ぶべき危機だった。そこで…