既に英語教育を行っている小学校では、1年生から、わずかとはいえ(年間20時間程度)、英語や外国人の先生に触れる活動を取り入れているところが多い。というのも、英語のみならず、語学を生きたもの、つまり使えるようにするには、いかに生活の中で、それを必要とする状況にあるかが重要である。外国に住めばその国の言葉がいや応なしに話せるようになるのだし、日本に住んでいる外国人も日本語を話せるようになる。
学校生活全体で英語教育を意識した活動があれば、自然に英語に慣れ親しみ、英語への抵抗感が軽減、語学だけでなく外国への興味も高まっていくきっかけになる。
経済的な理由もあるが、海外留学を希望する若者の数も減少傾向にあり、日本私立大学連盟の調査では、留学経験のある学生は8.3%。海外勤務を拒否する若者も増えている。英語を早くから学ぶことは、将来の可能性や視野を広げるきっかけになることは間違いないと、私自身は考えている。
英語の教科化については、小学校での教育方法が確立されておらず、教員をどのように確保するか、教員免許の要件にも英語を含めるのかなど課題は多い。しかし、実現する価値は高いと考える。次期学習指導要領では「英語か国語か」ではなく「英語も国語も」学ぶ時数は確保されている。子供たちの将来を見据え、小学校での英語教育の教科化に期待したい。
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【プロフィル】細川珠生
ほそかわ・たまお 元東京都品川区教育委員。ラジオや雑誌でも活躍。父親は政治評論家の故細川隆一郎氏。千葉工業大理事。