豊洲市場の主要施設下で規定の「盛り土」なし 都、観光施設の設計中断要請 地下駐車場に懸念 (1/2ページ)

豊洲市場の水産卸売場棟の地下。床面に水がたまり、配水管などが反射して映っている=7日、東京都江東区(共産党都議団提供)
豊洲市場の水産卸売場棟の地下。床面に水がたまり、配水管などが反射して映っている=7日、東京都江東区(共産党都議団提供)【拡大】

  • 豊洲市場の「千客万来施設」と駐車場のイメージ

 築地市場(東京都中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)で、都が土壌汚染対策に実施したとしていた4・5メートルの盛り土が主要施設下で行われていなかった問題で、都が12日、豊洲市場に建設する観光拠点「千客万来施設」の運営会社に、整備設計の一時中止を要請したことが分かった。敷地の地下を駐車場にする設計だったが、既に施工済みの盛り土を除去する必要があり、地下水への影響など安全性の検証が不可欠と判断した。

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、外国人観光客のおもてなしの拠点にする狙いだったが、駐車場がなければ、施設をオープンさせることはできず、市場を取り巻く観光産業への打撃となる。

 調査の結果次第では都は代替駐車場の確保など、大幅な計画変更を求められることになる。

 都が計画の一時中断を要請した千客万来施設は、一般客が新鮮な食材などを買える「築地場外市場」に相当する施設として計画された。

 豊洲市場の敷地内約1・1ヘクタールで、今年3月、温浴施設を展開する「万葉倶楽部」(神奈川県小田原市)が整備運営することが決まり、現在は29年1月の着工に向け、施設の詳細な設計を行っている。

 施設は江戸の街並みを再現し、170~280店が入居可能な飲食店街の「商業ゾーン」と、24時間営業の温泉施設を備えた地上10階建ての「ホテルゾーン」に分かれ、年間約193万人の来場が見込まれる。