結論から言おう。中国人らの犯行組織は、象牙密輸にからみ、UNEPなどを監視・盗聴対象としていた…
象牙の「爆買い」
事件発覚前、ロンドンを中心に活動する環境保護団体《環境調査エージェンシー=EIA》は、ケニアの南隣タンザニアで起きた、ワシントン条約で国際取引が規制されている象牙の密輸実態をまとめた報告書を発表していた。報告書によると-
EIAの覆面調査員は2014年9月、最大都市ダルエスサラームで象牙密売人2人と接触。密売人は驚きの言葉を口にした。
《13年3月、中国の習近平・国家主席(63)率いる政府高官や財界人の訪問団がタンザニア公式訪問中、数千キロの象牙を買い付け、1キロ当たりの卸値は通常の倍(8万円)にまで高騰した。
象牙は税関検査や捜査当局も介入できぬ外交用の荷物に詰められ、政府専用機で中国に運ばれた》
米国に本拠を置く中国語ニュースサイト《博訊=ボシュン》も、専用機の悪用は否定しつつ、習氏率いる訪問団の象牙「爆買い」と、中国共産党最高幹部・政治局常務委員&過去の中国指導者が専用機で象牙密輸を謀ったのは事実と報じている。 報告書は続けて-