《中国海軍艦が2013年12月、ダルエスサラームに寄港時、象牙取引が活発に行われ、取引業者の一人は軍艦乗組員に570万円で売った。中国海軍士官2人に売却する81本(300キロ超)の象牙をトラックに積載した中国人男性が、港に入ったところで逮捕された》
博訊も《海軍艦の利用は事実》と断じている。
報告書はまた、2009年2月の胡錦濤・前国家主席(73)の公式訪問でも同じような手口で、違法取引→密輸が行われたほか、中国大使館の外交官の関与証言も記した。
報告書によると、世界遺産に登録されるタンザニアのセルース猟獣保護区では、象が4年間で7割近くも減少し、2013年だけでタンザニア国内の象は1万頭も殺された。違法象牙の7割が中国向けとも分析。中国がアフリカ象の「大量殺りく国」だとの証拠を、改めて突き付けた。
中国では、象牙を加工・彫刻した指輪や置物などの装飾品は富裕層のステータスシンボルで人気があり、薬の原料としても使われる。富裕層の増加と共に需要も激増し、中国内の象牙価格は3倍以上に急騰した。習政権は、党・政府高官の「腐敗撲滅」を徹底してきたが、習氏率いる訪問団の象牙密輸で、「腐敗撲滅」が政治的陰謀だと自白してしまった。