【検証 異次元緩和(上)】「綱渡り」の運営続く黒田日銀 政策見直しは「八方美人」とも (1/3ページ)

2016.9.23 08:04


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  • 日銀の新しい金融政策
  • 記者会見で記者の質問を受ける日銀の黒田東彦総裁=9月21日午後、日銀(宮川浩和撮影)

 「(国債購入の)量を減らす金融引き締めは考えられない」

 8月4日。日銀の岩田規久男副総裁は記者会見でこう言い切った。

 日銀が「総括的な検証」をまとめる方針を打ち出したのは、7月29日の前回金融政策決定会合だ。当時、市場では日銀が購入できる国債はあと1~2年で枯渇するとの懸念がささやかれていた。年80兆円の購入量を「70兆~90兆円」などと柔軟化(実質減額)するとの噂まで飛び交ったが、岩田氏はこうした見方を早々と否定した。

 学者出身の岩田氏は国債購入の「量」を重視するリフレ派の巨頭として知られ、日銀の政策委員9人の中では、同じリフレ派の原田泰審議委員とともに、80兆円を堅持すべきだと唱えていた。

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 日銀は平成25年4月、年50兆円の国債買い入れから大規模金融緩和をスタート。翌年10月末には80兆円まで増やし、大量の資金を市場に流し続けた。

 当初は大幅な円安・株高を招き、企業や家計の心理が改善した効果は大きかった。

 しかし、2%の物価目標が遠のき、金融緩和の“長期戦”を余儀なくされる中、市場では政策の「手詰まり感」も意識され始めた。

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