OPEC「増産凍結」合意、今回も見送り公算 28日に非公式会合 各国、シェア低下を警戒 

 産油国が原油生産量などを話し合う石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合が28日、アルジェリアで開かれる。原油相場の頭打ち傾向が続くなか、「増産凍結」で合意できるかが課題だが、各国とも凍結に伴い市場シェアが下がることへの警戒感が強く、凍結の期待は高まらない。生産目標を再設定できないまま失敗した6月の定時総会に続き、今回も合意は見送りとなる公算が大きい。

 原油相場は夏場以降、ニューヨークの原油先物相場は1バレル=50ドルの手前で足踏みが続く。相場が上向けば世界最大の産油国となった米国のシェールオイルの生産が増えるとして、OPECの盟主サウジアラビアなどがシェア低下への懸念から増産を続けており、供給過剰感が払拭されないのが原因だ。

 OPEC加盟国内は、1月の欧米による経済制裁解除後に増産姿勢を強めるイランと、凍結に加わるよう求めるサウジとの対立で足並みが乱れたままだ。増産傾向を強めOPECの8月の生産量は日量3323万バレルと過去最高の水準が続いている。

 非公式会合には、世界2位のロシアなどOPEC非加盟国も参加する見通しだ。

 ロシアは原油価格の上昇を狙っている。プーチン大統領はサウジに対し、増産凍結に同意するよう催促。「主な産油国の建設的な対話と緊密な協力が重要だ」として、今月初めにサウジと原油価格の安定化に向け協力するとの共同声明を発表するまでにこぎ着けた。

 だが、増産の余地が小さいとされるロシアに対し、サウジは余力があるため、両国が実際に協同歩調をとるのか疑問視する向きも多い。また、米国では原油安で開発を中断していたシェールオイルの採掘装置の稼働数が徐々に増えている。生産技術の向上で低い原油価格でも採算が合うようになってきているとされる。

 石油業界関係者の間では「各国の思惑が交錯している」(木村康・石油連盟会長)とし、凍結合意には至らないとの見方が多い。