「やっぱり、最中は美味しい!」 和菓子にまつわる“重さ” (2/3ページ)

 だからか、ぼくは日本で生活している時、正月のおせち料理以上に和菓子を遠目に眺めていた。自分で食べたい、と思うことはなかった。目の前に出されても、食べることは少なかった。喜んで食べる人たちの気がしれなかった。

 それが今、日本を離れる時に空港の売店で必ず餡子ものを買う。最中などちょうど良い。

 かといってミラノに着いた日に食べるのではない。到着した晩は、ボンゴレのスパゲッティだ。我が家では毎週末、ボンゴレのスパゲッティを食べるようになってもう10年以上になる。その習慣が日本滞在中は途切れる。したがってミラノに戻る日が平日であろうと、ボンゴレのスパゲッティなのだ。

 地中海料理を満喫するのが第一日目だ。

 餡子ものには賞味期限がある。特に最中は皮が湿っぽくならないうちに食べたい。とすると二日目には食べ始めないといけない。二日目もイタリア料理が欲しいが、デザートだけ最中にするわけだ。

 この瞬間、もう「やっぱり、最中は美味しい!」と思える。料理は和食から少々距離をもちながらも、日本では見るのもウンザリしていた和菓子にイタリアに戻った48時間以内に目を向けている。

 この心境の変化には我ながら驚く。日本にいる時は、明らかに和菓子を流通させる「昭和的状況」に目を背けていたことに、こうして気づくのである。

和菓子にまつわる文化的重みから離れれば、実際に人の口に入る確率は…

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