橋下維新“お荷物タワー”の行方 「このままでは本当に負の遺産になってしまう」 (1/6ページ)

橋下徹氏が大阪府知事時代に購入した第2庁舎「咲洲庁舎」。いまなお赤字続きの「お荷物」となっているが、橋下維新の〝象徴〟を手放すわけにはいかず、今ではホテル転用案も浮上している
橋下徹氏が大阪府知事時代に購入した第2庁舎「咲洲庁舎」。いまなお赤字続きの「お荷物」となっているが、橋下維新の〝象徴〟を手放すわけにはいかず、今ではホテル転用案も浮上している【拡大】

 大阪市住之江区の湾岸部にそびえる大阪府の第2庁舎「咲洲庁舎」。55階建てで高さ256メートル。約1200億円の建設費をかけた日本で4番目に高いビルだが、大阪市の第三セクター時代にスピード破綻に陥った過去を持つ。それを橋下徹氏が府知事時代、庁舎全面移転を掲げて格安の約85億円で購入。府議会が紛糾し、最大会派・自民の分裂で橋下氏を代表とする地域政党「大阪維新の会」結成につながった。ただ、いまなおテナント不足で赤字続きの現状に「お荷物タワー」との声は消えない。防災面でも、南海トラフ巨大地震が発生すれば津波に襲われるのは必至。現在の維新代表、松井一郎知事は庁舎機能を残してのホテル転用を検討しているが、眺めのいい高層階は府の部局で埋まっており、セールスポイントを欠く不安も強い。橋下維新のシンボルタワーは大きな曲がり角を迎えている。(桑村朋)

 「橋下劇場」の原点

 「大阪の起死回生はこれしかない。世界に開かれた官庁街にし、この街を世界の玄関口にしたい」

 大阪市の第三セクターが平成7年に建設した「大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)」。この巨大な建物への大阪府庁舎の移転とともに、湾岸部を官庁街にするという新都心構想を橋下氏が発表したのは、約8年前にさかのぼる。

 交通の便が悪く、当初からテナント収入が伸び悩んだWTCは16年、開業からわずか9年で経営破綻に陥り、バブル期に計画された「負の遺産」を象徴する破綻劇となった。その後は社長の民間登用で黒字化した年もあったが、厳しい経営が続いた。

大きな転換点となったのが庁舎全面移転案…