インドネシア、複合スポーツ施設の建設再開 汚職事件で中断 (1/2ページ)

 インドネシアは汚職事件で中断していた複合スポーツ施設の建設を再開する。総額2兆5000億ルピア(約193億円)ともされた西ジャワ州ボゴールのハンバラン・スポーツ・センター建設計画は2010年に着工したが、12年に汚職疑惑が浮上して工事が中断していた。ジョコ・ウィドド大統領の指示により、計画が再び動き出しているもようだ。現地紙ジャカルタ・グローブなどが報じた。

 同計画は、04年に総額1250億ルピアのスポーツ施設建設事業として提案されたあと、国会審議を経て、アスリート養成などを視野に入れた総面積32万平方メートルの複合スポーツ施設建設事業へと発展。事業費は当初計画のおよそ20倍にまで膨らんだ。

 13年に同国の会計監査院が公表した調査結果によると、着工から工事中断までの国の損失額は4710億ルピアだった。その後、裁判となった汚職事件では、当時のアンディ・マラランゲン青少年・スポーツ相や民主党のアナス・ウルバニングルム党首らが有罪判決を受けている。

 ジョコ大統領は、今年3月に工事が中断したまま放置された現地を訪れ、5月に建設再開を決断。公共事業・国民住宅省に事業の再評価と計画の見直しに着手して来年5月をめどに作業を終えるよう指示した。再開決断の背景には、これまでに投じた資金を無駄にできないとする同大統領の強い意向があるとみられている。