電力会社の原発事故損害賠償に上限 内閣府、有限責任案を提示

 内閣府は3日、原発事故の損害賠償制度を見直す原子力委員会の専門部会を開き、電力会社の賠償に上限を設ける有限責任案を提示した。東京電力福島第1原発事故の損害が兆円規模に膨れ上がる中、電力会社から有限化を求める声が強まっていた。上限を超えた分を税金や電気料金など国民負担で賄うため、委員の意見との開きは埋まらなかった。

 現行の無限責任制度と比べながら、年度内に見直し案をまとめる。関連の法整備は来年度以降になる見通し。

 専門部会では、原発事故における電力会社の責任範囲について集中審議を行った。有限責任の場合、電力会社の故意や過失の有無が賠償に大きな影響を与える。委員からは訴訟となって被害者への賠償に時間がかかるなどの意見が出された。国民負担を抑えるため、賠償の上限額を高く設定すると、実質的に無限責任と変わらないといった課題も残った。

 東電は7月、今後も増加する廃炉費用を負担できないとして国にさらなる支援を求めた。経済産業省も、電力自由化で新規参入した小売業者が廃炉費用を負担する制度の検討を始めるなど原発をめぐる費用負担の在り方が転機を迎えている。