世界的な水不足の解決へ 日本の水処理メーカーが中韓に価格競争で負けている現実 (2/4ページ)


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  • 福岡・新宮町の中央浄化センターの地下式MBR(大熊那夫紀氏提供)
  • 福岡地区水道企業団の海水淡水化センター=福岡市東区(同センターホームページから)

 米国のカリフォルニア、フロリダ、テキサス各州をはじめ、中東やアフリカなど慢性的な水不足に陥っている地域では海水淡水化設備が整備され、全世界で1日あたり6000万トンもの真水が海水から生産されています。

 --海水淡水化技術で水不足問題は解消できるのでは?

 「海水から塩分を取る技術が、水処理技術の中で一番お金がかかります。お金をいくらかけてもいいなら、いくらでも飲み水は造れますが、本当に必要なところ以外には海水淡水化は広がっていきません。海水から飲み水を造るより、下水から飲み水を造るほうが3分1のコストで造れます。立地的にも海水淡水化設備は海の近くに設置しなければいけません。その点、下水は水道があるところなら必ず出てきます。下水は非常に良い資源なのです」

広がる下水再利用

 日本の下水再利用率は2%程度ですが、中東など慢性的な水不足に陥っている国では80%を超えています。

 下水処理に適しているのは、日本が開発した膜分離活性汚泥法(MBR)をベースに、RO膜を組み合わせた下水再利用システムです。MBRでは活性汚泥(微生物)により下水中の有機の汚れを分解し、膜で濾過(ろか)して、病原性原虫類や大腸菌などの微生物、ウイルスを活性汚泥と一緒に除去し、清澄な水を取り出します。

水再利用の世界市場は、2016年は09年の4倍の8000億円まで拡大