現代自の全面ストが韓国経済を打撃 「自分さえ良ければ」と馬耳東風の労働貴族たち (3/3ページ)

 その大きな要因が、過激化した現代自労組に代表される、経営側と組合側の“不健全な対立”だ。労組の世界経済フォーラムが9月28日に発表した国家競争力ランキングによると、国家競争力の順位は3年連続で26位だった。朝鮮日報日本語版によると、「労使間の協力」という項目で、韓国は138カ国・地域中135位と極めて低かった。

 「企業を発展させる」という大前提が崩れた労使の対立は、企業の体力を疲弊させるだけだ。現代自の経営側はすでに手を打っている。

 東洋経済日報によると、現代自傘下の起亜自動車は9月、メキシコに年産40万台の最新鋭工場を完工した。中国、欧州、米国に次ぐ4番目の海外工場で、同社の生産能力は国内で年間160万台、海外で196万台となり、海外が国内を逆転した。

 グローバル競争を強いられる自動車業界で生き残るためには、競争力の落ちる国での生産をやめざるを得ない。労働コスト増に直結する、韓国特有の“労働貴族”の弊害がなくならなければ、経済浮沈の序曲となりかねない。(鈴木正行)