サムスン電子、ITモバイル部門でなんと96%の減益 欠陥スマホが響く それでも会長の長男・李在鎔氏を取締役に選任 

 【ソウル=名村隆寛】韓国のサムスン電子は27日、2016年7~9月期の連結決算を発表した。新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」が発火や発煙のトラブルで生産・販売停止となった影響で、ITモバイル部門の営業利益は前年同期比で96%減の約1000億ウォン(約92億円)にまで落ちた。

 本業のもうけを示す営業利益は前年同期比約30%減の約5兆2000億ウォンで、14年7~9月期(4兆6000億ウォン)以来の低水準となった。売上高は同7・5%減の約47兆8200億ウォン。

 申宗均(シン・ジョンギュン)社長兼最高経営責任者(CEO)は27日に開いた臨時株主総会で、「ノート7問題で多大な損失を招き、心配をかけ、おわびする」と陳謝した。

 サムスンは、欠陥ブランド以外の商品の売り上げが堅調だったため、販売台数は小幅な減少にとどまったと説明している。

 ただ、欠陥があったノート7の販売を停止したのは今月からで、サムスンはノート7の生産・販売停止による損失が、16年10~12月期と17年1~3月期を合わせ、計3兆5000億ウォン(約3200億円)前後に達するとの見通しを発表している。

 臨時株主総会では、李健煕(イ・ゴンヒ)会長の長男、李在鎔(ジェヨン)副会長を取締役に選任する議案が承認された。李副会長はこの日の総会を欠席したが、14年から入院中の李会長に代わり、サムスン電子の事実上のトップとみなされていた。