韓国の朴槿恵大統領が首相ら3閣僚を更迭 「すべて大統領の指示でやった」と責任否定も

 【ソウル=名村隆寛】韓国大統領府は2日、朴槿恵(パククネ)大統領が黄教安(ファンギョアン)首相ら3閣僚の交代を決めたことを発表した。後任には、盧武鉉(ノムヒョン)政権で副首相兼教育人的資源相や大統領府政策室長を歴任した金秉準(キムビョンジュン)国民大学教授を指名した。

 首相の交代は事実上の更迭。経済副首相と国民安全相も同時に交代する。大統領との私的関係を通じた女性実業家、崔順実(チェスンシル)氏の国政介入疑惑による混乱を人事刷新で収拾したいとの意図がうかがえる。

 一方、韓国紙、東亜日報は2日、崔氏の私物化が指摘される2つの財団に関与した疑惑で、更迭された大統領府の安鍾範(アンジョンボム)前政策調整首席秘書官が、「財団設立などはすべて大統領の指示を受けてやったことだ」と自らの責任を否定していると報じた。

 同紙は法曹関係者の話として、安氏が「崔氏と朴大統領の間で直接の取引があったことを知っている」と語った、とも報じている。

 安氏は出国禁止状態にあり、検察は2日午後、安氏を容疑者として事情聴取する。

 一方、ソウル中央地検は2日も、崔氏の取り調べを継続。同日午後に逮捕状を裁判所に請求する。裁判所は本人を審問するなどし、逮捕状発付の可否を判断する。