日本への対抗心あらわ 中国の「時速600キロのリニア」開発ぶち上げに見える焦り (1/3ページ)

上海郊外と浦東国際空港を結ぶ磁気浮上式のリニアモーターカー
上海郊外と浦東国際空港を結ぶ磁気浮上式のリニアモーターカー【拡大】

  • JR東海が試験走行させているリニア中央新幹線の営業線使用車両=6月3日、山梨県都留市の山梨実験センター
  • 山梨県で行われたリニア出発式

 中国が国家プロジェクトとして、独自技術による最高時速600キロのリニアモーターカーの開発をぶち上げた。2020年に試験車両を完成させ、将来的に北京-上海の約1100キロを2時間で結ぶリニア線の建設を目指すという。日本のJR東海のリニアに匹敵するスピード。中国ではすでに上海で最高時速431キロのリニアが営業運行しているが、これはドイツの技術を導入したもの。独自技術では最高時速100キロの中低速リニアが今年5月から試験営業運行を始めた。中国は一気に国産リニアのグレードアップを図り、インフラ輸出などで日本に対抗する。

 中国メディアの報道などによると、中国の鉄道車両最大手、中国中車が10月21日、「国家重点研究開発計画事業」として、独自技術による最高時速600キロのリニアの開発に着手したと発表した。同社は、同じ国家事業として国際路線で走らせる時速400キロの高速鉄道車両の開発も並行して進める。

 リニア開発では、まず距離5キロ以上の実験線を建設。2020年6月までに試験車両を完成させ、21年以降に量産を含む実用化を目指すとしている。

 同社関係者は中国メディアに「磁気浮上、推進、制御の核心技術について、自主開発する」と強調。さらに、「従来の高速鉄道は最高時速400キロでの運行が限界。日本は600キロ超のリニアを開発しており、次代の交通システムとしてリニアの技術を確立することが不可欠」と述べ、日本への対抗心をあらわにした。

リニア開発を進める中国の思惑